2021年7月26日、和休は人間ドックを受けてきました。
病院からの帰り、久しぶりに一人の時間ができたので、小さな行き当たりばったり旅をしようと思いついたのです。
神戸電鉄とは、湊川駅と三田駅、三木駅、小野駅を結ぶ69.6kmの鉄道です。
和休、神戸に住んでいるにもかかわらず、神戸電鉄にはほとんど乗ったことがありません。せっかく始発駅近くにいるし、ヒマつぶしにもなるし、ということで、湊川駅の改札をくぐったのでした。
神戸電鉄は登山鉄道!?
湊川駅は、地下駅になっています。
湊川駅を出発してしばらくすると、地上への出口が見えてきました。
トンネルを抜けると住宅街になりました。
そして、かなりの勾配(坂)を登っていくのがわかるでしょうか。
神戸市は、東西に長く伸びていると思われがちですが、実は南北にも広がっているのですよ。
ただ、神戸市の南北を分ける中間地点には、六甲山という山脈が横たわっているため、街は東西に広がって発展していきました。
神戸市を南北に移動するには、六甲山を登るか、トンネルを通るしかありません。
神戸市営地下鉄が全長7,276mの「北神トンネル」で六甲山をブチ抜いて南北を結んでいるのに対し、神戸電鉄は六甲山を越えて南北を結んでいます。
列車は、急こう配をものともせず、グングンと登っていきます。
全国登山鉄道パーミル会
ところで、「全国登山鉄道‰会」という会をご存知でしょうか。
「観光地が沿線にあり、かつ登山鉄道としての性格を有している」という点で共通している6社が、山岳路線の魅力をお伝えすることを目的に、2009年9月に結成しました。
南海電気鉄道のホームページから引用 https://www.nankai.co.jp/koya/permil/
2019年3月には、長野県で運行している「アルピコ交通」が新たに加入しました。
登山鉄道パーミル会とは、観光地が沿線にあって、登山鉄道としての性格を有している鉄道会社6社が2009年に結成した親睦団体です。現在は、長野県の「アルピコ交通」が加わり、7社となっています。
「パーミル」とは、鉄道における勾配の斜度を示す単位で、1,000mで何メートルの高度差があるか、を示しています。単位は、「‰」です。
鉄道は鉄のレール上を鉄の車輪が走ることから、アスファルトの上をゴムタイヤで走る車やバイクに比べて、走行の抵抗が少なく済むのですが、坂を上り下りするには逆効果で、上りは滑って登れない、坂を下るときはブレーキをかけても車輪がロックしてしまって、そのまま坂の下へ滑り降りてしまうおそれがあるのです。
つまり、鉄道は坂道が苦手なんですね。
2021年現在、日本で最も急な勾配を有する鉄道は大井川鐵道で、90パーミルというもの。
この区間を通過するために、「ラックレール」という専用のレールがレール中央部に敷かれ、専用の電気機関車がそのレールと車体に設けた歯車をかみ合わせて、勾配を昇り降りしています。
神戸電鉄にはここまで急な勾配はありませんが、それでも50パーミルという急勾配が存在しますし、路線の8割が勾配という、登山鉄道といってしまっても恥ずかしくない鉄道ですね。
また、神戸という大都市の街中から出発し、純粋な観光鉄道ではなく、地域の足として多くの通勤客を運んでいることも、他社にはない特徴でしょう。
鵯越駅で下車
さて、列車は「鵯越駅」に到着しました。
和休はここで降りて、バスで自宅方面へ向かうことにします。
鵯越駅のホームから三田方面を見たところです。
線路わきに、勾配を示す「勾配標」と呼ばれる標識が見えます。
「50」と書いてある白い杭のようなものが勾配標です。「50」は50パーミルを示し、腕木が上方向を向いているので、上り坂を示しています。
神戸電鉄の乗車体験は、ここまで。
このあと、駅の近くをウロウロして、バス停に向かってみたいと思います。